ミシュランガイドに掲載されたお店に食事に行くのは憧れのステータスですね。また、飲食店を運営しているならば、誰もが望むミシュランの星獲得ではないでしょうか。
日本でミシュランガイドが注目されるようになったのは、初めて日本がミシュランガイドの評価対象国となった2007年です。
1900年にフランスで初めてミシュランガイドが発行され、1926年から「美味しい料理を星の数で表す」評価方がスタートしました。
今では、ヨーロッパをはじめ、日本、アメリカ、中国など世界40エリア以上、約16,000件のレストランがミシュランガイドに掲載されています。
ミシュランガイドの発行元はフランスのタイヤメーカー「ミシュラン」です。なぜ、タイヤメーカーがグルメブックを発行することになったのか?不思議に思いますよね。
その理由は、初版が発行された時代背景にあります。
ミシュランの公式サイトによると、当初は車が走り出したばかりの頃で、ほとんど普及していなかった時代に、ドライバーのために作成されたガイドブックだったそうです。ガイドブックにはタイヤの使い方、修理方法、自動車修理工場のリスト、ガソリンスタンドの場所、ホテル、レストランなどドライバーが旅を安心して楽しめるための、実用的な情報が掲載されていました。
ミシュランの使命はモビリティを促すことであり、皆様を安全で楽しい旅へ導くことでもあるのです。
とあり、今も昔もドライバーの立場に立ったホスピタリティによるものと感じられます。
ミシュランガイドへの掲載は無料にもかかわらず、世界中のユーザーから信頼を寄せられているのには、ミシュラン独自の審査が徹底していることにあります。
ミシュランガイドの評価基準はなにか?
現在、ミシュランガイドは世界各地のレストランやホテルを評価するガイドブックとしで認知されています。
ミシュランの調査員が誰なのかは明かされておらず、もちろんいつ訪れるか、誰が訪れたのかは店側は知りません。
いつも通りのサービス、料理提供が行われてこそ、本質を評価判断できるからです。
ミシュランガイドに掲載されることは、その店の料理やサービスの品質が世界的に認められたといって過言ではありません。
では、ミシュランガイドの評価基準はどのようなものでしょうか?
レストランの掲載は、世界各国に及びそれぞれに独自の文化や料理が存在しますが、一貫性をもって行うため、世界同一の評価基準を用いて、評価にあたっています。
その一貫性の評価基準として以下の5つがあげられています。
- 素材の質
- 調理技術の高さと味付けの完成度
- 独創性
- コストパフォーマンス
- 常に安定した料理全体の一貫性
これらの観点はどの国のガイドでも共通で、調査員が厳密に同一の基準に基づいて調査を行っています。
このような観点からも、ミシュランガイドに掲載されること自体が、大変名誉なことなのです。
そして、「美味しい料理を星の数で表す」その星の意味するところは以下のとおりとなりす。
- 一つ星:そのカテゴリーで特に美味しい料理
- 二つ星:遠回りしてでも訪れる価値がある素晴らしい料理
- 三つ星:そのために旅行する価値がある卓越した料理
ミシュランガイドに掲載されるかどうかは、ミシュランが独自に選択し、編集の最終段階で調査員たちの合議制で決定します。
掲載はすべて無料ですが、店側から申し込むことはできません。また、掲載された店であっても、毎年見直され更新されます。
星を獲得したシェフたちの喜びと苦悩
ミシュランガイドに掲載されると、その店の料理やサービスの品質が、世界基準で認められたことになります。
特に、一つ星、二つ星、三つ星という評価を得ると、その店は世界的に注目されるようになります。
ミシュランガイドで星を獲得したシェフたちは、さぞかし喜ばしいことと思いますが、注目されれば大変なことも多いことでしょう。
では、シェフ達はどのように感じているのか、以下にいくつかの例を紹介します。
ミシュランで星を獲得した喜び
星を獲得することは、シェフにとって最高の栄誉と誇りです。自分の料理が世界的な基準で高く評価されたことに感動や達成感を覚えます。
また、星を獲得することで、店の宣伝効果や集客力が高まり、経営的にも安定します。
さらに、シェフ自身の知名度や人気も上がり、メディアや業界からのオファーも増えます。
ミシュランで星を獲得してからの苦悩
星を獲得することは、それだけ期待やプレッシャーも大きくなるということでもあります。
常に高い水準を維持しなければならず、料理やサービスの質が落ちると、評価が下がったり、掲載から外れたりする可能性もあります。
また、お客さんの好みやニーズに応えることも難しくなるかもしれません。さらに、シェフ自身の健康や家族との時間も犠牲になることもあります。
ミシュランガイドで星を獲得したシェフたちの喜びと苦悩は、それぞれ個人や店によって異なるでしょう。しかし、どんなシェフでも共通していることは、料理への情熱や愛情だと思います。
ミシュランガイドに掲載されたその後
ミシュランガイドに掲載されても苦労は絶えません。 品質・評価を下げないように「日々、精進していく」という名誉も頂いているからです。
ミシュランガイドに掲載されることは、シェフやスタッフの自信ややりがいに繋がります。
さらに、他の飲食店や業界関係者からも尊敬や信頼を得ることができます。
苦悩と感じる部分も、お客さんが期待して来店してくれる喜びとなり、それに応えるよう努力を惜しまずに続けることでしょう。
ミシュランガイドはあくまで一つの指標であり、最終的にはお客さんが美味しいと思うかどうかが重要と考えているお店がほとんどです。
まとめ
ミシュランはユーザーに対して、快適なドライブシーンを提案する取り組みのひとつとして、お客さんに紹介したい店を忖度なしに評価し、ミシュランガイドに掲載しています。
掲載された店は来店してくれるお客さんへ、最高の料理とサービスを提供するために日々務めています。
どちらの努力も一つとして欠けることなく、合致した先に輝かしい栄冠があるのだと思います。